2009年10月09日
最先端ビルに残る江戸時代中期の石垣 − 秋葉原UDXビルの石垣
秋葉原UDXビルの片隅に、「石垣と武家屋敷」という石盤があるのに気がつきました。それを読むと、秋葉原UDXビル建設の際に江戸時代中頃の石垣が発掘され、その一部をモニュメントと築是石垣として再利用されているとありました。モニュメントはその横にあったのですぐわかりましたが、秋葉原UDXに石垣なんてありましたっけ?ということで探してみました。
ちょっと前に、秋葉原UDXビルの片隅、本当に端で人通りもあまりなくひと目にもつかなそうなひっそりとした場所に、ひとつの石盤があるのに気がつきました。
秋葉原UDX南東の端、交番がある場所の右側にひっそりとあった石盤(写真右端)。
その石盤は「石垣と武家屋敷」と書かれています。石盤には1657年(明暦3年)の古地図もあり、その昔秋葉原UDXビルがあった場所は大名・旗本の武家屋敷があった場所と記されていました。
「石垣と武家屋敷」の石盤。江戸時代の秋葉原付近の古地図があります。
その石盤に書かれていた解説を読むと、この場所には神田川に通じる運河のようなものもあり、岸には石垣があったようです。そしてその頃の石垣が発掘されて、秋葉原UDXの築是石垣と駅前広場側のモニュメントとして再利用されているとありました。
駅前広場側のモニュメントは石盤のすぐ横にあったのですぐにわかりました。
これが江戸時代の石垣に使われていた石ですか。
でももうひとつ、秋葉原UDXの築是石垣というのもあることになっています。「秋葉原UDXビルに石垣なんてあったっけ?」と思いつつ、「そういえばあの辺に・・・」と思い当たった場所に行ってみることに。
その場所はこの石版とは秋葉原UDXの対角線上にある北西側、水場のある辺りです。
石垣らしきものがありました。でもこれでしょうか?
秋葉原UDX敷地内にあった石垣。先の壁に何かプレートがあります。
「発掘石垣の再利用」と書いてあります。やはりここでした。
そこに書かれていた解説によるとこの石垣は、秋葉原UDXビル建設の前に、旧神田青果市場の基礎の更に下から発掘されたものらしいです。プレートには発掘当時の写真がありました。
後で調べてみると、秋葉原UDXの開発に携わったNTT都市開発さんのサイトにこの石垣のことが触れられていました。そこには「秋葉原UDXは、このような歴史を刻む取り組みによって、都市の歴史を次代に引き継ぐ存在でありたいと考えています。」と書かれています。素晴らしい。
今まで結構この場所で休んだりしてましたが、そんなことまったく知りませんでした。そうですか、江戸時代から残る石垣だったんですか・・・。立派な史跡ですね。
景観デザイン要素として再利用された発掘された石垣の一部。
関連記事
■神田青果市場跡地の石盤
■古地図で見る江戸・明治の秋葉原 〜 Yahoo!地図情報 古地図で東京めぐり 〜
参考リンク
■秋葉原UDX −NTT都市開発さん
関連リンク
■渋谷城 (渋谷城址) −渋谷城の跡地 −渋谷マップ
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